注目キーワード
  1. 年収2000万円
  2. 職業
  3. 起業

年収2000万円の起業

「起業なんてあまりに簡単だ」で、実際の起業は世間がイメージするほど大したものではなく、誰でもやろうと思えばできるということを解説した。あなたもその気になってきただろうか?

ただ、多くの人は次に「何の事業を行うか?」と思案するだろう。再度申し訳ないが、私はこの「事業」という呼び方も仰々しくて好きではない。「何をして稼ぐか?」。この言い方が好きだ。この方が皆さんもシンプルに考えられるのではないだろうか。

何もGoogleやAmazonのような超一流企業を作ろうとしているわけではない。「誰でも年収2000万円になれるのか?」で書いたように、綿密な事業プランも、MBAのような専門知識も、ましてやビジョンも経営理念も要らない。そんなものは後回しで良い。

大切なのは、何をして稼ぐか?これだけだ。

正直、「これをやれば確実に儲かる」などという仕事はない。そんなものがあるなら、世界中の人が大富豪になっている。

書籍やネットを見れば、「自分の好きなことで起業するのが良い」「いや好きなことは仕事には選ばない方が良い」「起業するには〇〇の知識が必要で」「起業の際には〇〇のアイデアが役に立って云々」と、結局どうするのが起業で成功するのか今一つわからない。

起業に確実な成功方法はなくとも、確実にやってはいけないことはある

実際のところ、上記のような類いは一切気にしなくて良い。いわゆる起業指南のようにメディアに登場したり、本を書いたりするのは、かなり成功した経営者ばかりだ。企業規模も大きく、事業展開も幅広い。結果的にどれも優等生的な意見が多くなるうえに、普通の人には再現性がなくなっていく。何より、もっと小さな会社の例や、泥臭く金を稼ぐリアルな経営者の話は表に出ない。

私は血みどろの経営者だと述べた。綺麗事を言う気はない。起業して年収2000万円を稼ぐのに、大きな会社組織も事業規模も必要ないのだ。

そんな私が言えるのは、「起業において確実な成功法などというものはないが、やってはいけない仕事、ビジネスは確実にある」ということだ。

起業するなら絶対やってはいけない仕事やビジネスは以下の3つだ。

  • 利益が少ない
  • 在庫が必要
  • 固定費が高い

これらは各々関連性もある。一つずつ解説しよう。

年収2000万円を目指す起業をするなら、利益が少ない仕事を選んではいけない

まず一つ目は、利益の少ない仕事を選んではダメだということだ。つまり、単純に利益の多いビジネスを選ぶのが正しい。「年収1000万円の仕事は何か?」でも述べたが、高年収の企業は全て高利益率である。

もちろんM&Aキャピタルやキーエンスをそのまま真似ろと言っているのではない(そんなことは不可能だ)。しかし、あなたが年収2000万円の起業を本気で目指すならば、とにかく利幅が大きい仕事を選ぶことだ。

年収2000万円をめざす起業をするなら、利益が少ない仕事を選んではいけない

ITを使った仕事や何らかのコンサルタント、あるいはサブスク型の(顧客に定額料金の支払を継続してもらう)ビジネスなどは良いだろう。ITは初期投資が少なくて済むし、あなたがコンサルタントになれば、商材は自分自身の能力やノウハウなので、最低限必要なのはあなたの人件費のみである。

サブスクリプション型のビジネスは、一度仕組みができ上がると安定収入が見込めるうえ、人を使って対応する業務と言えば、サポートやメンテナンスが主となっていく。これはITを活用したサービスでも同様だ。つまり、軌道に乗るにつれ、必然的に利益が大きくなるのである。

年収2000万円を目指す起業をするなら、在庫が必要なビジネスを選んではいけない

起業と言うと、何らかの物販を思い描く人があまりに多い。はっきり言おう。それは悪手だ。在庫とは悪だと心に刻んでおこう。

多くの人は、衣料でも雑貨でも、自分の好きな物を売ろうとする考えがまず先に立つ。しかしよく思い返して欲しい。残酷な言い方だが、「これだけ物があふれる現代で、あなたのお気に入りの商品は本当に売れるのか」。Amazonや楽天を見てみよう。数えきれないほどの商品が、驚くほど安価に売られ、翌日には届くのだ。あなたの商品はそれらよりも魅力があって、消費者に購入してもらえそうか?

年収2000万円をめざす起業をするなら、在庫が必要なビジネスを選んではいけない

まだ悪いことはある。もし何らかの商品を用意するとなったら、確実にまとまったコストが最初にかかる。一点物を売るという人もいるかもしれないが、それはあまりに非効率だ。一般的にはそれなりのロットで生産したり、仕入れることになるだろう。

これらはもし売れなければ、全て不良在庫となり、あなたの収支は一気にマイナスになる。年収2000万円を稼ごうとしているのに、プラスはおろかマイナスだ。これは避けねばならない。往々にして最後はマイナスを避けるために、薄利多売に走ることになる。この時点であなたの利益は極小化する。

さらにまだ悪い点がある。物販は経理が煩雑になるのだ。①で述べたITやコンサルタントというのは、基本的には人件費くらいしか主だった経費がないので、経理はシンプルだ。これに比べて何らかの物を売る場合は、日々の仕入れや売上、棚卸や在庫管理等々、様々な経理作業が必要だ。起業して間もない時期は、売上を伸ばすことに注力したいのに、これらの作業にも追われることになる。もちろん税理士に頼んでも良いが、当然顧問料がかかる。

このように見てみると、不良在庫、薄利多売のリスクがあるうえに、経理も煩雑と、正直メリットがないのが物販なのだ。年収2000万円を目指すなら、絶対にしてはいけない起業パターンなのである。

年収2000万円を目指す起業をするなら、固定費が高い事業を選んではいけない

多くの人は起業と言うと、綺麗なオフィスを構え、多数の従業員を雇い、事業を手広く展開するイメージを持ちがちだ。だが、年収2000万円を目指すなら、こんなイメージは早々に捨て去ってしまおう。

理由は簡単。固定費が高くなるからだ。立派なオフィスも多数の従業員も膨大な固定費となり、利益を圧迫する。利益が圧迫されれば、言うまでもなくあなたの給料は安くなる。ここでも②で述べた物販を選ぶと損だとわかるだろう。在庫を持つということは、倉庫などの保管場所が必要になるのだ。

年収2000万円をめざす起業をするなら、固定費が高い事業を選んではいけない

オフィスでも倉庫でも、当然毎月決められた賃料を支払わなくてはならない。あなたの事業が儲かっていなくてもだ。これは相当な負担になる。賃料の支払いが難しくなり、指定期限よりも前に退去すれば違約金だって発生する。また、多くの人は「雇われる側」なので気付きにくいが、あなたが経営者となり、人を「雇う側」に回ると、毎月支払う従業員の給料というのは膨大なコストだとわかるはずだ。

もちろん優れた従業員ばかりで売上が上がりまくりだと言うなら良いが、開業当初からそんな企業はそうそう存在しない。そしてアメリカなどと違い、日本では一度雇った正社員を簡単にクビにすることはできない。あなたが起業して、事業が上手く行かない時があったとしても、従業員を解雇してコストを下げることができないのだ。

もうお分かりだろう。年収2000万円を目指して起業するなら、とにかく固定費を低く抑えることだ。綺麗なオフィスも多くの従業員も要らない。そんなものは、あなたの事業が十分儲かるようになった後に考えるべきことだ。

そして①で述べたように、固定費を抑えるということは、それだけ利益が大きくなる。これがポイントだ。特に今はコロナ禍で、大企業ですらオフィスを地価の安い地方に移転したり、ベンチャーのような小さな企業では、オフィスごと解約するケースも出てきた。

多くの人が集まる立派なオフィスは、莫大な固定費であると同時に、クラスター発生のリスク要因にもなりかねない。もはや執着する必要がないものになりつつある。できるだけオフィスや従業員などは持たず、固定費が安い状態で展開できるビジネスを考えよう。何かトラブルがあっても、利益が存分にあれば乗り切れるが、固定費が利益を圧迫してキャッシュがなくなると、倒産するしかなくなってしまう。

飲食店だけはやるな

本来は、以上3つのやってはいけない仕事やビジネスの説明で終えようと考えていたのだが、あまりに多くの相談を受けるので、これだけは別に書いておきたい。

起業するにあたって、②で説明した物販の例以上に、事業として考える人が多いのが飲食店だ。自分が気に入っているカフェやレストランなどをイメージしてしまうのだろう。自分はその素敵な店舗のオーナーを夢見ている。だが、飲食店だけは絶対にやってはいけない。

素人はもちろんのことだが、ある程度経験がある人でも飲食店での起業は薦めない。理由はシンプルだ。飲食店はとにかく儲からないのである。例えばこの記事がわかりやすく解説している。

飲食業はとにかく利益率が低い。それはおろか、私が説明してきた「やってはいけないビジネスの3つの特徴」すべてが当てはまる。①利益が少なく、②食材や酒、飲料などの在庫が必要で、③店舗にせよ従業員にせよかなりの固定費がかかる。分かるだろうか?これでは上手く行くわけがないのだ。さらに今はコロナウイルスの影響で、飲食店はなおさら苦境を強いられている。コロナによる倒産件数は、2020年8月末時点で飲食業が最多だ。

勘違いしないでもらいたいのは、私は飲食店そのものがダメだと言っているのではない。むしろ会食でしょっちゅう利用していたし、仲の良いシェフも料理人もいる。彼らは皆素晴らしい人たちだ。今の苦境を乗り越えて欲しい想いでいっぱいである。しかし、ビジネスとしてはあまりに難しいのが飲食店なのである。

あなたはどうやって年収2000万を稼ぐか

いかがだっただろうか?冒頭で述べたとおり、何も難しいことは書いていないはずだ。高度な知識もビジョンも必要ない。

ただし、起業にはポイントがある。それを誤ると結果は伴わず、高額な年収は手に入らない。しかし何も臆する必要はない。注意するべきは3つだけだ。

最初に述べたとおり、私は経営者をやって10年以上になり、複数の事業を経営しているが、いまだにこの3つを守ったビジネスしか行わない。そして立派なオフィスも持たず、多くの従業員もいないが、年収2000万円以上を確保している。

起業なんて時間もお金もかからず、すぐできる。何よりも、この3つのポイントをクリアできる稼ぎ方を考えることに全力を注ごう。

年収2000万円を目指す起業
最新情報をTwitterでも公開中!