「年収2000万円の職業は？」で書いたとおり、年収2000万円を最も実現しやすい方法は、独立・起業して経営者になることだと述べた。
実は私は「起業」という言葉が嫌いだ。「起業」というと、さもスゴイことをするようなイメージが世間にはあるが、独立や起業というのは、あまりに簡単だからである。会社を作るなんて誰でもできる。もちろん上場まで狙っていくとか、世界規模でビジネス展開するというなら話は別だ。これはあまりにハードルが高く、誰もができることではない。
しかし、単に起業するだけなら誰だってできる。私も最初はそうだった。
起業なんてわずか数ステップ、数十万円で可能
実は起業する際にやることは数個しかない。行う事業を決め、定款を作って公証役場に行き、法務局で登記して、税金や社会保険の支払い手続きのために税務署や社会保険事務所を回るだけ。以上だ。
あとは、支払や入金用に会社の銀行口座を開設し、名刺や会社のハンコを用意すれば、すぐに事業を始められる。あなたもその日から社長だ。簡単だろう？
もちろん、諸手続きに関しては煩雑なところもある。しかし、何ヶ月もかかるような大変な作業では全くない。私の場合は、公認会計士の友人に10万円ほどで全て代行してもらった。
そんなツテはないという場合でも全然問題ない。私が起業したのはもはや十年以上前の話で、今ならもっと便利で安い。ネットで調べて司法書士に頼むのも良いし、会社設立手続きの代行サービスもたくさんある。司法書士に頼んでも20万円～30万円が相場だし、マネーフォワードなどネットの代行サービスならば、各種手続きは無料というところも多い。
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おまけに今は資本金の最低額の規定もない。1円から株式会社が作れる。さすがに資本金を1円にはしない方が良いが、会社設立に必要な登録免許税や各種手数料も込みで、数十万円あれば会社は作れてしまう。これならアルバイトでも貯められるだろう。
会社員でもニートでも起業はできる
さあ、あなたの「起業」に対するイメージが変わってきただろうか？何のことはない、数十万円でできる簡単な作業だ。
けし掛ける気はないが、今ニートでくすぶっているような人なら、ここは一念発起で起業してみてはどうか？その日からあなたの肩書はニートではなく「社長」だ。親の目も世間の目も変わるだろう。失うものだって何もない。実は最強である。失うものがあるから人は躊躇するのだから。
もちろん侮るのは良くないにせよ、「起業なんて世間で言われるほど難しくない」と思ってもらえると幸いである。MBAのような知識も全く不要だ。再度言うが、誰にでもできる。
そして何より、このように起業をシンプルに、具体的にイメージしてみる、ベストは実践してみることで、あなたの人生は劇的に変わる。「起業はたいそうなことで自分には縁のない話だ」と諦めてしまっていては、そこで思考停止になる。
もしあなたがサラリーマンなら、「自分が起業するならどうするか？」を常に意識しつつ、会社の仕事をこなすといい。これはものすごく価値がある。
会社である以上、そこには事業があり、人がいて、売上が生じ、各種経費があり、利益が生まれる。どんな商材を扱うと得か損か。利害関係はどこにあるか。儲かっているのか否か、その理由は何か。「年収は選んだ仕事で決まってしまう」で書いたように、会社や業界の内情を分析する癖をつけよう。
自分が会社を作る前に、サラリーマンならすでに自社という用意された学習教材があるのだ。こうやって自分が起業する日をイメージしつつ、お金（給料）ももらいながら、自社の商売を通して活きた勉強をする。全くもって最高の環境だ！何の考えもなしに独立して苦しんだ、愚かな過去の私ならば泣いて喜ぶ。
現代は仕事にやる気が出ないという人も多いが、そこで腐ってしまってはダメだ。自社に将来性がないとか、給料や待遇に納得できないと思うなら、虎視眈々と独立の日を夢見つつ、お金をもらいながら、今の会社から学べるものは学び、盗めるノウハウは盗み切ってしまおう。
その思考に切り替わった時、つまらない毎日が変わってくる。そしてそのしたたかな思考回路こそ、経営者になった時に役立ってくるのだ。
