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年収1000万円でも年収3000万円でもなく、年収2000万円を狙うべき理由

多くの人は、シンプルに「年収が多いに越したことはない」と思うだろう。だが、私が年収1000万円でもなく、逆にもっと多い年収3000万円(以上)でもなく、その中間となる年収2000万円をターゲットにするのには理由がある。一つずつ解説しよう。

年収1000万円ではダメな理由

まず年収1000万円ではダメな理由だ。これは端的に言うと以下の2つである。

  • 年収1000万円は案外誰でもなれる
  • 年収1000万円は案外豊かではない

年収1000万円は案外誰でもなれる

「誰でもなれるわけないだろう!」と言う方もいるかもしれない。たしかに多くのサラリーマンにとって、年収1000万円は大台の金額に映っていることだろう。しかし、実は真っ当な大企業に入り、歳を重ねると、案外この年収には到達する。

もちろん名の通った大企業に入り、キャリアを重ねることが条件だが、ここさえクリアできれば、年功序列の古い体質の大企業の場合、50代くらいになると、案外年収1000万円くらいにはなる。つまり天才のような才能は必要ない。

ただ現在、こういった年功序列を止めようとする動きが企業にはある。だから、これからの時代はわからないが…。

年収1000万円は案外豊かではない

もう一つの理由はこれだ。実は年収1000万円はさほど金持ちではない。都心(東京)で暮らす場合は特にそうである。

年収1000万円超の人たちは、国税庁の民間給与実態調査を見れば、どのくらいいるかすぐわかる。余談だが、このような国の発表資料は定期的に確認した方が良い。おかしなメディアよりもはるかに正確である。何より、国の動向を自分なりに考えてみる癖をつけるのが肝要だ。

上記資料の20ページを見ると、年収1000万円超は、全ての給与所得者のちょうど5%だ。もう少し詳しく見ると、年収1500万円以上の人が1.4%なので、年収1000万円を超えさえすれば、上位3.6%には入っていることになる。

これなら結構な金持ちに思えるだろう。もちろん貧乏ではない。しかし、一般人はあまり意識せず、金持ちは必ず意識していることだが、大切なのは年収ではない。手取り額(可処分所得)だ。

年収1000万円の手取り額

当然年収がいくらあっても、そこから社会保険料、つまり年金や健康保険、そして所得税と住民税といった税金が引かれる。社会保険料と税金は、もちろん高年収の人ほど多額になる。これらが引かれた後、手元に残るのが可処分所得となる。

実際に年収1000万円から、これら社会保険料と税金を引いた可処分所得を考えてみよう。独身か扶養家族がいるか等の条件はあるが、細かい計算は省くと、年収1000万円の人の手取り額は、大体720万円~730万円程度と思っておけば良い。

年間の手取り額が720万円ということは、月に自由に使えるお金は60万円だ。人によっては「十分豊かじゃないか!」と思う人もいるかもしれない。しかし、実際はそうでもない。

年収1000万円は案外豊かではない

まず東京の一等地のタワマンなら、2LDK程度で家賃は1ヶ月30万円~40万円はする。この時点でこのレベルの住居は諦めるしかない。部屋数を減らすか、住む場所を一等地から少し外すなりして、家賃20万円程度の住居を選ぶことになる。地方在住の方は驚かれるかもしれないが、東京の一等地となると、家賃20万円では豪華な住居には住めない。

これで残りは40万円だ。もちろんここから食費(外食含む)や水道光熱費、被服費、携帯代、医療費、保険料、車を持っているならその購入費や維持費等々を引いていく。貯金もしたいだろうからその金額も確保しておく。こんな風に考えていくと、実は年収1000万円では豪遊三昧などという生活には程遠いのがよく分かるはずだ。

何より、これは独身者のシミュレーションなので、これで結婚して子供もいたら、もう完全にアウトだ。もちろん今は国民の7割近くが共働きなので、配偶者がある程度稼いでくれるかもしれないが。

「いやいや、それなら家賃の安い郊外や田舎に住めば」と思う人もいるかもしれない。はっきり言うがそれは無理だ。年収1000万円を稼げるサラリーマンが通う会社は、ほぼ全て都心にしかない。田舎には年俸で1000万円を払える会社はそうそう存在しない。

高い給与を支払える名の通った企業は、未だに東京に一極集中しており、自ずと従業員たちも通勤を考えて勤務地のそばに居住することが多くなる。結果として、給料は年収1000万円であっても、高い生活コストを払うしかなく、さほど豊かには暮らせないのが実情なのである。

年収3000万円も狙ってはいけない理由

では今度は年収1000万円ではなく、はるかに多い年収3000万円(以上)を考えてみる。年収3000万円を狙ってはいけない理由は簡単だ。これはまず無理だからである。

年収3000万円以上となると、前述の民間給与実態調査では、全給与所得者の0.3%未満である。これはあまりに少ない。

いや、数が少ない以上に、年収3000万円を狙うための方法論は、実はあまりに限られている。まずサラリーマンなら、外資系金融、投資銀行、限られた一部上場企業の役員クラスといった職種以外にはない。あとは起業してIPO(上場・株式公開)する、事業を大規模に展開するといった特別な手法が必要だ。

これでは多くの人には再現性がない。実現できない目標を追い続けるのは、はっきり言って無謀であり、虚妄である。おまけに心も折れてくる。これでは本末転倒である。

年収2000万円を狙うのが良い

ここまでで、年収1000万円では豊かではなく、年収3000万円を狙うのは無謀だということがわかっただろうか。年収2000万円はちょうどこの中間。言うなれば、やり方次第で誰もが狙いやすいボリュームゾーンが年収2000万円なのである。

しかも、年収2000万円になると、年収1000万円とは違い、かなり余裕を持った生活ができる。先ほどと同じく可処分所得を考えてみよう。

年収2000万円を狙うのが良い

年収2000万円の人の手取りは、大体1300万円程度である。単純に計算すると、月に110万円くらいは自由に使えることになる。これなら住まいを一等地のタワマンにしても良いし、フェラーリやランボルギーニは難しくとも、ベンツやBMWクラスの外車にも問題なく乗れる。

その他の各費用を支払っても、かなりの金額が手元に残る。外食しようが、旅行しようが、もはやあまり気にならない。つまり、どんな生活をしても相応の「経済的自由」が手に入るのが年収2000万円なのである。

何より、年収2000万円であれば、上場したり、世界一流の企業に入社するといった特別な手法や才能は必要ない。私が年収2000万円を狙うべきというのもここに理由があるのだ。

年収1000万円でも年収3000万円でもなく、年収2000万円を狙うべき理由
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