誰でも年収2000万円になれるのか?と問われたら、この答えは「Yes」だ。
なぜなら、私も年収2000万円以上になれたからだ。
「いやいやそれは、たまたまお前にだけ当てはまった話だろう」と言われるかもしれない。また、私の「経営者」「社長」という肩書だけを見て「自分には無理だ」と思う方も、ごく少数ながらいらっしゃるかもしれない。(別の機会に述べるが、社長になるのなんて、今はあまりに簡単だ。誰だってなれる)
だが、再度言おう。誰でも年収2000万円は目指せる。もちろん努力は必要だ。そして私は「なぜ年収2000万円を目指す方法を書こうと思ったのか」にも書いたとおり、メディアに出るような有名な社長などでは毛頭ない。皆さんと変わらないごく普通の一般人なのである。
私は就職氷河期世代だ
もう少し私のことを話そう。自己紹介でも述べたが、私はアラフィフである。つまり「就職氷河期世代」なのである。バブルが崩壊し、企業が接待までして就活生を奪い合うような時代は終わってしまっていた。
私は、大学こそ誰もが知る私立大学を卒業している。しかし、その当時の大学生というのは、理系でもなければ遊びほうけてしまうのが常だった。私もご多分に漏れず、合コンだディスコ(クラブではない。その当時はクラブというものはなかった)だと遊び回り、ロクに勉強もしていなかった。今時の「意識高い系」の学生とは雲泥の差だ。
そしていざ就活となった時、数年前までは自分の大学のレベルなら、就職したい有名企業を選びたい放題だったのが一変。そう簡単に就職できない状況になってしまう。しかし、「納得できない企業に就職するくらいなら」と、私も含めて「しばらくすれば以前のような状況に戻るだろう」という楽観の下、資格取得や大学院への進学などで“時間稼ぎ”をする連中も結構いた。
上向かない景気、鬱々とする日々
もちろんこの楽観は大間違いだった。景気は全く上向かず、いつまでたっても以前のような経済活況は訪れない。私も税理士の資格取得を一応の目標にしたものの、全く身が入らず、簿記を多少学習した程度でフラフラしていたのを覚えている。
こんなことを何年か続けていると、さすがに生活も厳しくなってくるので、友人のツテで小さな会社に就職した。仕事にありつけたのは感謝するべきだし、与えられた業務はしっかり遂行するよう心掛けた。しかし申し訳ないのだが、それほどの充実感はなかったのである。小さな会社ゆえ、年収は300万円程度だったと思う。
そうこうしていると、世には「IT革命」なるものが訪れた。「これからは情報技術だ」「コンピューターが世界を変える」等々、華々しいキャッチフレーズが飛び交っていた。
会社で多少パソコンに触れる機会はあった。Windows3.1の時代である。若い人はご存じないOSだろう。しかし、どこか鬱々として「このままこの仕事を続けてもな…」と思っていた私は、完全にノリで会社を辞め、個人事業主としてフリーランスになってしまう。
目的もビジョンも取引先もないまま独立
現代のきちんとした若者から見たら正気の沙汰とは思えないだろう。独立の際、私には目的もビジョンもなかった。多少パソコンを触ったり、マクロを操れる程度で「これからはコンピューターの時代なら、まあ何とかなるだろう」という軽い考えで独立してしまったのだから。
さらに、勤務していた会社では強力な人脈など作れるわけもなく、取引先すらいない。つまり、完全に仕事の当てがゼロなのに独立したわけである。
ここからサクセスストーリーが始まった!とでも言うなら、それは映画かドラマだ。残念ながら、そんな幸運は訪れなかった。何のプランも考えもないのに独立したのだ。義理で多少仕事を頼んでくれる人たちはいたが、当然いずれも少額なものばかり。売上は月十数万円程度しかなく、年収は良くて200万円くらいだったと思う。
私は特別でも何でもない
ご覧のとおり、IT革命を経験しても、私はホリエモンやサイバーエージェントの藤田社長のような、ITバブルに乗り、一気に有名になって大金を稼いだ人たちとは程遠い人種なのである。
時代の寵児となったIT社長たちのニュースを、まるで別世界の住人のように遠い目で眺め、前職と同じように鬱々としていた。さらに収入が少なく、日々金がなくなっていくというのは相当な恐怖で、精神的にも病んでくる。
家賃の支払いがヤバい時もあり、ロクに食事も摂れず、コンビニの廃棄される食品ですら、できることなら貰いたいと思ったほどだ。
こんなもの、望んだ人生じゃない
こんな日々が続く頃、ついに私はキレてしまう。キレたと言っても、別に人様を傷つけたりしたのではない。自分の不甲斐なさにあまりに腹が立ったのである。一応名の通った大学も出たにもかかわらず、きちんとした職にも就かず、この体たらく。日々の生活にも困窮していく。
こんなのは望んだ人生じゃない!こんなのはまっぴらだ!一人怒鳴って、グラスに拳を叩きつけた。グラスは見事に割れ、この時ばかりは映画やドラマのように血が滴ったのを思い出す。
血まみれの手を見て、やけに落ち着いていた。
そして「こんなので終わるわけにはいかない」と覚悟した。
だからあなたも年収2000万円を目指せる
私はこんなタイプの人間なのである。決してキラキラしたカッコいい経営者ではない。むしろ血みどろの経営者だ。タイトルに「年収2000万円を目指す残酷で確実な方法」と、「残酷」という単語を入れている理由でもある。
私は何のビジョンも目的も持たず、プランもなしに仕事を始めた。ちゃんとした方から見れば、相当ロクでもない奴なのである。だが、だからこそ伝えられることもある。
現在は法人化して10年以上になるが、未だに規模も小さな零細企業だ。立派なオフィスもない。しかし、私の年収は2000万円以上ある。
これもまた別の機会に書こうと思うが、実は金を稼ぐには「ビジョンも目的も不要」である。崇高な目的や高度な戦略など要らない。むしろ邪魔である。しっかりした人ほど、意外に思われるかもしれない。
だが、私の方法論には再現性がある。なぜなら、私はなんら優れた人間ではないからだ。だれでも実践することができる。
だから安心して欲しい。
あなたにもできる。
あなたも年収2000万円を目指せるのだ。