年収2000万円を狙える職業や起業について概説したが、これはいわば方法論で、年収2000万円を目指すには別の大切な要素がある。そう、それはあなたの考え方や気持ち、マインドだ。人間は理屈がわかっても、心が動かなければ行動はできない。年収2000万円を目指すためにはマインドセットを変える必要がある。
年収2000万円を目指すなら、金持ちに対する間違ったイメージを捨てよう
多くの人は、お金持ちや富裕層と言うと、著書があったり、テレビに出るような立派な人物を思い描く。それはそうだ。本やテレビ以外、一般人にはお金持ちや富裕層という存在を知る手段がないからである。
そこでは成功者たちは、ものすごく立派に描かれている。例えば…
- 役に立つものを考え抜いて作ったから成功した
- 人を大切にしたから上手く行った
- 世のため人のため…
これを見た真面目な一般人はこう思う。「なるほど、この世にないものを作ろう」「人を大切にしなければ」「そう、全て世のため人のため」。こう思って努力をすれば、きっと成功してお金持ちにもなれる!…と。
ところがそう考える人たちのほとんどは、年収2000万円どころか、何も変わらず、ずっと低い年収のままで一生を終える。
違うのだ。マインドセットが間違っている。
まず、上記のような成功者、金持ちに対するイメージ、思い込みは全て捨てよう。
そんなものは嘘だ。いや、完全に嘘だとは言わない。たしかにこの世にないものを作ったり、人を大切にするのは素晴らしいことだ。しかし、これだけ世にモノがあふれているのに、あなたは「まだ世界にない何か」なんて作れるか?仮にあなたがエジソンのような才能がある人だったとしても、それを世に出せるほどの製造設備や資金は手に入りそうか?
金持ちについてのイメージは「作られている」もの
それだけではない。そもそも本もメディアも「編集」という作業をするのだ。これもまた詳しい話は別の機会に述べるが、多くのお金持ちや成功者というのは、万人受けするよう、実情よりきれいなイメージで「作られている」のである。本当はその人が成功するまでにはドロドロしたお金の問題や悪辣な人間関係があったとしても、それをそのまま伝えると、大衆は拒絶してしまうからだ。
出版社もテレビ局も商売である。大衆に受け入れられやすいよう、情報を「加工」する必要がある。プロデューサー、ディレクターといったその道のプロが担当し、多くの人が興味を持ち、受け入れるように整形しているのだ。これが世にあふれる金持ちや成功者のイメージが、リアルな実情から乖離する理由である。
まずは金、金、金。守銭奴のように金
ではどんなマインドセットを持てば良いのか?簡単だ。貪欲に「金(カネ)」を追い求める。これだけである。もし本当に世にない物を送り出したいという大志があるなら、この考えは良くないかもしれない。それならば、どうか私の文章など読むのは止めて、別のサイトをご覧いただきたい。
しかし、我々が目指すのはシンプルに年収2000万円になることだ。GoogleやAppleのように世界を変えようとしているのではない。純粋に年収2000万円を目指すだけなら、そんな立派な大志は要らない。むしろ持っていると邪魔である。何はなくとも「金」、四六時中「金」を追い求め、考える。これを徹底するのだ。
拒絶反応が出ただろうか?
最初はそれでいい。それが普通だ。
どういうわけか、日本人は特にお金を汚らわしいものとしてとらえる傾向があり、金儲けは悪とまでみなされることが多い。外国ではお金は経済を支え、自分の生活の糧となるものとして重視され、様々な教育もされるというのに。
年収200万円~300万円の頃
こんな風に書いてはいるが、実は昔の私こそが「世のため人のためになることをやっていれば収入も増えて成功する」と思っていたのである。
結果はどうだったか?
・・・最悪だった。
「誰でも年収2000万円になれるのか?」を読み返していただければお分かりのとおりである。たしかに、ろくにプランも取引先もなく独立してしまった私は愚かだった。しかし、得た仕事はたとえどんなに小さなものでも、義理で頼んでくれたものであっても、誠心誠意対応したのである。
そして常にこんな風に思っていた。「この小さなことを積み重ねて行けば大きな仕事になる」「ちょっと対応に難ありのお客さんだけど大切にしていかなくては」。それこそメディアに登場する成功者や大富豪の話を聞いて「よし、こうやって清い心で努力すればいつか成功するんだ」と思っていた。
どうなったか?
・・・私は単に貧乏になっただけだった。
生活に困り、お客さんにもう少し金額を上げてもらえないかと交渉しても、「こっちは頼んでやってるんだぞ!」と怒られるか、やんわりと「それは無理」と断られるだけだった。割に合わない注文だけの日々が続いた。それでも嫌な顔を見せず笑顔で対応し、どうやっても利益の出ない仕事を淡々とこなしていた。毎日の時間はそういった業務に食いつぶされ、同時に貯金も食いつぶされていった。増えたのは不安と苦悩だけだった。
獣の血が流れ始まった日
そんなある日、「誰でも年収2000万円になれるのか?」で書いたとおり、私はキレてしまう。
冗談じゃない!こんなのはまっぴらだ!
こんなにやっても収入が増えるどころか、生活に困るなんてやってられない!
もう金輪際、金にならない仕事はしない!とにかく金だ!金を稼ぐんだ!
そう決めた。
いや、叫んだかもしれない。
しかし、同時に心の中で張りつめていたものがフッと解けた気がした。
存外、悪い気はしなかったのである。
そして何か別のものが心に湧き上がるのを感じた。たとえるなら、人ではない獣の血が流れ始まった感覚とでも言うのだろうか。金だけを貪欲に追い求める獣、そんなイメージだ。
稼ぐことを目的にできないのは恐怖の裏返し
思い返せば、実は私は恐怖していたのだ。たとえ相手がどんな人でも「このお客さんを失ったらどうしよう」「売上が減ってますます苦しくなる」。そんなことばかり考えていた。そして金儲けに対しても悪いイメージを抱いていた。「せっかく頼んでくれているのに、金額を高くするなんて失礼かもしれない」「相手に悪印象を与えたくない」。
こんなマインドでは、当然お客さんと交渉などできるはずがない。いつでもお願いする形となり、常にこちらは下手に出る。これでは真っ当な金額のやり取りは成立しない。
皆さんも同様の心境になった経験はないだろうか?どんな仕事でも、かつての私のように、きれいな理想を追い求めて逆に苦しんではいないか?実はそれは誤りなのだ。
金を追い求めるのは悪ではない
私は決意を新たにした。とにかく金を稼ぐことを第一にすることにした。
しかし、金を追い求めるのは決して悪ではない。この決意があってから、色々なことに気付けるようになったのである。
「とにかく金。何はなくとも金だ」
「何が儲かるか?それだけだ」
そう毎日思っていると、自ずと金儲けに対する「嗅覚」が研ぎ澄まされてくる。
これが年収を上げるためには何よりも大切だ。
あなたは純粋にお金のことだけを考えたことがあるか?
「貪欲に金を追う」という言い回しに拒絶反応が出るなら、こう言ってみたらどうだろう。「純粋にお金のことを考える」。多くの日本人は、まず間違いなく「24時間お金のことだけを考える」という経験をしたことがないはずだ。しかし当たり前の話だが、お金のことを集中して考えた経験のない人たちが、どうして金儲けができるというんだろう?
私はもう一度、感情を抜きに自分の仕事の料金体系を見直してみた。当初はどんな仕事でも受けようという想いだけで、値段はお客さんの言いなりだった。しかし、改めて見直してみると、全くと言っていいほど利益が出ないものも多い。これではやればやるほど赤字である。
想いがあることは悪くない。しかしどんなに小さな規模でも、経営する以上、利益が出ないことをし続けるのは悪なのである。反面、案外利益が出るジャンルもわかった。こういった仕事は重点的に行おうと決めた。
早速私は、利益が出ないお客さんを「切り」にかかった。表現は残酷かもしれないが、その時の私には、間違いなく正しいことをしている確信があった。
もちろん威圧的に接したりはしない。ただシンプルに、「この金額ではできない」「忙しくて対応がままならない」と『至極丁寧に』伝えたのである。そういうお客さんは、たいていコストしか見ていないので、あっさりと「ならばもういいよ」と離れて行った。もちろん恨まれたりもしない。
売上はなくなったが、随分と気が楽になった。
さらに時間の余裕もできた。
そこで私は、自分の労働量を計測し、どの仕事でどれくらい稼働しているのか、どうやったら利益が出るか、その利益率は何%か、同業他社はいくらで同じ仕事を受けるのか等々、ひたすら計算・調査した。
これをしっかりできたおかげで、「これくらいの金額でお願い」とお客さんに無理を言われても、以前なら「どんな仕事でも受けなくては」と逡巡したものが、利益に合わない仕事は迷いなく切ることができるようになり、労力と時間の節約にも役立った。ここでも同じく、高圧的に接したりせず、丁寧に断れば良い。
おわかりいただけるだろうか?
私が決めたことは「金に貪欲になること」だ。しかし、「世のため人のため」という想いだけで苦労していた頃と比べると、随分と真っ当な経営姿勢になり、数字への感覚も研ぎ澄まされ、気持ちも楽になっていったのである。
実はお金に貪欲になることは悪いことではない。その心境に至らなければ、気付かないことが多いのである。この心境は、多くの日本人はまず持っていない。もしあなたが本気で試してみたら、それだけで十分他の人たちと違った存在になれる。年収2000万円を目指すなら、まずは一度、お金のことだけを純粋に考えてみて欲しい。