皆さんは、自分の「流れ」というものを意識したことがあるだろうか?「流れ」というのは、自分の好不調の波のようなものだと思ってもらえれば良い。バイオリズムとはちょっと違う。ましてや占いの類いでは毛頭ない(笑)
ただ、この自分の流れを意識した行動をすると、結構新たな発見があるはずだ。年収2000万円を目指すためにも、日々の行動指針に活用するためにも、ぜひ参考にしてみてほしい。
流れの良し悪し
例えば、結構頑張っているのに結果が伴わない。逆にさほど苦労せずに良い成果が得られた。こんな経験は誰にでもあるだろう。これを私は自分の「流れ」として捉えている。自分が好調な時は「良い流れ」、不調ならば「悪い流れ」。こんな具合である。
これは経営者だと特にわかりやすい。全てが売上や利益といった数字に表れるからだ。さらにさほど大きくないビジネスを展開していると、余計に数字も見えやすい。良い流れの時は商談も順調に進んでポンと売上が伸びてくれたり、悪い流れの時はかなり苦労してまとめた話がご破算になったりするのだ。別に普段と変わらないはずなのに、良い時はすんなり上手く行き、悪い時はもがいても上手く行かない。
占いやスピリチュアル系が好きな人は、ここぞとばかりに「それは●●の影響で~」「そんな時の開運グッズやパワースポットは~」とあちらの世界(?)の話題に持っていきたいだろうが、私は経営者だ。リアルの世界でしか勝負していないので、そういったことは一切考えない。ただ、なぜ好不調が生じるかが判別しない。
自分の状態を記録する
なぜそうなるかがわからない時、どうしたら良いのか?私がおすすめしたいのは、「記録する」ことである。これはビジネスでも役に立つので実践してみてほしい。
多くの人は、説明のつかない何かがあった場合、単なる偶然と考えたり、「まあそんな時もあるか」とスルーしてしまう。しかし、これでは学びも成長もない。一見すると偶然のような、説明のつかない何かに対して、自分なりに法則性を導き出したり、理論を構築してみる。これはとても有益なトレーニングになる。
実際にどうするかといえば、特に難しいことはない。シンプルに手帳でもスケジュール表でもいい。自分が好調だった時期、不調だった時期を、気づきとともにメモするだけだ。日記のように毎日細かく書く必要はない。そして定期的にそれを見返してみる。すると、自分の好不調の波、すなわち「流れ」が何となく見えてくる。
そして、できるだけ好調で良い流れの時に、仕事でも大きな決断でも、積極的に挑戦するようにする。もちろんその結果もメモしておこう。逆に不調で流れが悪いと感じる時は、積極的に出ることは止め、ぐっと堪える。
一流の人がルーティンを大切にする理由
私見で恐縮だが、一流の人たちがルーティン(自ら決めた行動の流れ)を大切にするのは、この「流れ」を重視しているからではないかと私は考えている。
有名なイチロー選手は、トレーニングメニューも食事も決めたものを守り、決めたとおりの素振りとフォームでバッターボックスに立つ。そしてそれを崩さない。イチロー選手は雲の上の人なので参考になりづらいとしても、成功している人たちは、何らかのルーティンを持っていることが多い。例えば、朝一に行うことを決めていたり、オフィスには何時に行く、出かける時はどちらの足から靴を履くなど、自らのルールを持っている。
なぜそんなことをするかと言えば、自分なりに好調だった時のパターンを覚えているからである。そして、できる限りその好調な状態、すなわち「良い流れ」を保ち、再現できるようにしたいと考えている。
これはつまり、好調を維持するために行う自分なりのルールのようなものだ。このルールは自分の好不調を分析しないと作れないし、人によって様々なものとなる。ジンクスやこだわりと解釈してしまうと意味がないように見えるが、そうではない。上手く行く人というのは、自分の好不調の波、すなわち「流れ」を敏感に意識しているのである。
流れを読むということ
この「流れ」を読む行為は、前述のとおり、自分の好不調を記録することで誰でもできるようになる。好機と見れば一気にたたみ掛けて成果を上げ、危機と判断すれば潔く身を引く。判断が正確であれば、成功の確率は上がるのだ。
再度私の体験談で恐縮だが、良い流れの時に来る仕事は良いものが多い。話もまとまりやすく、利幅も大きい。気付けばさほどの苦労もないのに、スムーズに仕事が完了する。
しかし流れが悪い時は最悪だ。一見良さそうに思えた案件が、ダメな担当者に変わって難航したり、内容が決まらず時間だけがかかったり、結果利益が少なくなったりと散々である。果ては良さそうに見えた取引先が、実は詐欺まがいの手口を行っていた、なんてことまであった。
皆さんも実際記録してみると面白いことが見えてくるはずだ。良い流れの時に出会う仕事や人は良質で、悪い流れの時に出会う仕事や人は宜しくない。そう覚えておくだけでも、かなり人生で役に立つ。
例えば仕事も充実し、やる気に満ちている良い流れの時は、物事により積極的に挑戦してみる。会う人も素敵な人が多いだろうから、親睦を深めるようにする。
逆に自分の流れが悪い時は、あまりもがかないようにする。そんな時は、あがいても上手く行かないことが多い。例えば仕事が不調だったり、失恋をして精神的に落ち込んでいる時、近づいてきた人が良い人だと思ったら、実はロクでもない人だったなどというのは、よくある話だ。上手く行かない時ほど人恋しくなるかもしれないが、ぐっと堪えて流れが変わるまで待とう。
悪い流れの時に何をするか?
さて、今まで「流れ」について説明してきたが、残念なことにずっと好調、つまり良い流れが永続することはない。株価のチャートのように、流れは必ず上下動する。良い時もあれば、悪い時もある。
しかし、だからこそ仮に自分の流れが悪い時でも、極端に悲観する必要はない。そんな時は上記のとおり、まずは腰を据えて耐えることを考えよう。自分の流れが悪い時は、ついつい寂しくなったり、空虚になる。そういう時は判断力も落ちている。そんな時ほど、仕事もプライベートも「これは良い!」と思ったものが、悪しき決断になることが多い。
とはいえ、ただ待っているというのも、辛いうえに生産的ではない。
しかし悪い流れの時は積極的に出るのも良くない。
こんな時どうするか?
私は勉強することを勧めている。
勉強の意味
「勉強をするだって?」と一瞬疑問に思われただろうか。しかし成功した人というのは、どんなに忙しくても、間違いなく学習や自己研鑽をどこかで必ず行っているものだ。
そして勉強を勧めるには理由がある。流れが悪い時というのは、基本的に積極的に動き回っても良い成果が出ない。しかも判断力も鈍っていれば、仕事を無理に取りに行って失敗したり、人の出会いも良質ではない可能性がある。
つまり、流れが悪い時は、言うなれば「プラスを取りにいくのではなく、マイナスを抑えにいく方が良い」ということだ。
では、「仕事への積極的なチャレンジや重大な選択等はせず、人にも会わず、しかし、行ってマイナスにならない行為とは何か?」と考えてみると、これは勉強が一番良いのである。知識を増やしたり、洗練させたりするのは一人でも行えるし、強烈なプラスにはならないかもしれないが、決してマイナスにはならないからだ。
流れが悪い時は、ヤケを起こしたり、荒んだ気持ちになって無理な行動をしてはいけない。まずは落ち着いて自分をしっかりと見直し、ここはしばらく勉強の時間だと腹をくくろう。
実は案外社会人になると勉強をしないものである。皆さんも「時間ができたら●●を学ぼう」「●●の知識がもっとあったらいいのに」と思うことが、いくつか必ずあるはずだ。
こんな時こそ、読書でもいい、仕事の知識をブラッシュアップするでもいい、決してマイナスにはならず、プラスになる勉強をしてみよう。自分がレベルアップするための知識をインプットしながら、良い流れが出るのを見定める。そして良い流れが見え始まったら、積極的に動いていくのである。
自分の流れを記録しながら見極めて、最適な行動を採るように心がけてみて欲しい。良い流れの時は積極的に、悪い流れの時は慎重に。そして時期が来るまで様々なことを学んでおく。これを繰り返すと、きっとあなたの人生に新たな発見があるはずだ。