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新卒学生は、年収だけで企業を選べ

当初は別の記事を先に書こうと思っていたが、新型コロナウイルスの経済への影響があまりにひどく、来年以降は特に、新卒の学生の皆さんに甚大な影響が出るのが明らかなので、急ぎこちらを掲載することにした。

これからの日本経済は、不況を通り越して「恐慌」と言っても良いレベルにまで堕ちるかもしれない。事実、東京商工リサーチによれば2020年10月初旬までの倒産件数は600件。さらに完全失業者数は8月までで200万人を超えている。

注意した方がいいのは、失業者には休業者が含まれないという点だ。解雇はされず、一時的に仕事はしていない(仕事がない)人は休業者扱いとなり、失業者には含まれない。しかし、これは事実上の失業者予備軍である。政府からの給付金もなくなってきた今、解雇され、これから膨大に失業者が増えるのは目に見えている。リーマンショックの比ではない。

何も考えず、高年収企業に行け

さて、そんな経済惨禍が目に見えている現在、これから社会人となる新卒の学生の皆さんは、どうやって就職先を選ぶべきだろうか?

「自分のやりたいことは何だろう?」「自分の特性をよく考えて」等々、色々な言葉を耳にするだろう。そしてリクナビなどの定番就職サイトで一生懸命企業分析し…といった営為に勤しんでいる学生の皆さんも多いのではないだろうか。

だが現役の経営者として言わせてほしい。

そんなことはすべて無視して、とにかく年収が高い企業に行け。

これだけである。だが、成果は保証する。

なぜ年収だけで企業を選べば良いのか?

なぜ年収だけで就職先となる企業を選ぶべきなのか。もちろん今後の経済的な惨状を考えれば、多くの収入を確保するに越したことはないというのは大きい。しかしそれ以外にも理由がある。大別すると4つだ。

高年収の企業は質が高い

高年収の企業は質が高い

身もふたもない言い方に聞こえるかもしれないが、高年収を支払える企業というのは、行っている事業にせよ、社員にせよ、とにかく質が高い。「年収1000万円の仕事は何か?」で、平均年収が1000万円を超える企業を列挙した。こういった会社は「年収は選んだ仕事で決まってしまう」で書いたように、儲かるビジネスを行っている。

ターゲットの市場が豊かで、徹底して効率を追求し、しっかりとした利益構造を持っている。社内には進取の気性があり、競争は大変かもしれないが、能力ある人材も多い。それゆえ高年俸を払えるのだ。

おまけにこういった会社で学べることはたくさんある。仕事を通じて身につくスキルは多いし、優秀な上司や先輩も必ずいる。たとえあなたが将来転職や独立するにせよ、大きなヒントと貴重な人脈も得られる場所だ。

GAFAや外資系金融は最高峰かもしれないが、これはあまりに限られた人たち向けだろう。日系でも高年俸の会社はある。上記の記事などを参考に、各企業のビジネスモデルを調べ、アプローチしてみて欲しい。

学生時代の自己分析はアテにならない

学生時代の自己分析はアテにならない

もう一つ、学生の頃の自己分析は正直アテにはならない。そもそも社会経験がないのに、自分に合った仕事など選べるわけがないのだ。

勘違いしないでいただきたいが、別に学生がダメだと言っているのではない。学生である以上、社会経験がないのは皆同じである。私もそうだった。

ただ、どこかの企業に入社し、様々な業務を行ってみて初めて「これは自分に向いている・向いていない」「この仕事は好きだ・苦手だ」ということがわかる。これが現実なのだ。それゆえ多くの人は、しばらく経てば転職する。

よって必要以上に自己分析をしなくても構わない。仕事というのはやってみないと分からないのだから、間違っても、必要以上に悩んでしまうとか、モラトリアムに陥るなどということは避けよう。

合わない会社でも、給料が高ければ納得できる

合わない会社でも、給料が高ければ納得できる

これも身もふたもない話かもしれないが、もしあなたが入社した会社が自分に合わなかったとしても、最悪給料が高ければそれなりに納得できる。

例えば、外資系金融のIBD(投資銀行部門)は激務中の激務だ。ほとんど寝る間も惜しんで働くことになる。しかしその年収は若くして数千万円だ。IBDは別格だったとしても、高年俸の会社員は、往々にして激務と引き換えにその年収を得ている。

ただ正直な話、やはり年収が高ければ「まあこんなに給料をもらっているしな…」と思えるのは事実だ。薄給では激務に耐えられない。ブラック企業が問題なのは、さんざん理不尽なまでに働かされるのに、給料が安すぎて釣り合わないからである。生活もままならず、これでは身も心も病むだけだ。しかし高給をもらっていれば、それで全てが解消されるとは言わないが、良い暮らしもできるし、プライベートでは好きなこともできる。

さらにまた身もふたもないことを言おう。やはり自分にどうしても合わず、辞める決意をしたとしよう。数年勤めたのなら、それは一向に構わない。あるいは独立や起業を考えていたとしてもいい。そんな時、高年収であれば貯金も多く、次の仕事が見つかるまで余裕を持って構えられるし、独立や起業の場合も、その準備資金をたっぷり貯められる。虎視眈々と次のステップを狙っていたとしても、給料が高いに越したことはないのだ。

人生でキャッシュは少なすぎて困ることはあるが、多すぎて困ることは絶対にない。よく覚えておいて欲しい。

高い給与を払えない企業は淘汰される

高い給与を払えない企業は淘汰される

実はこの4番目は後から加えたものである。コロナ禍、そして今後の日本の経済状況を考えると、高い給与を支払えない企業というのは、実は危険水域にいると思うのだ。

再度「年収は選んだ仕事で決まってしまう」を読んで欲しい。従業員に高額な給料を払える会社というのは、利益率が高く、儲かっている。今ならば社内留保が大きいという可能性もあるが、基本的に給料を高くできない企業というのは、儲かっていない。競争力が乏しく、利益も出にくい構造になっているはずである。

年功序列の時代ならそれで良かったかもしれないが、今後はそんな時代ではない。能力のある人材を高給で採用し、競争力を上げ、自社のビジネスをどんどん発展させる必要がある。

日本の少子高齢化は待ったなしの状態であり、さらにコロナウイルスが追い打ちをかけている。悠長に構えていれば、ビジネスは縮小を余儀なくされるのだ。

そんな時、競争力がなく、利益も小さな企業は真っ先に淘汰されてしまう。給料も安ければ、優秀な人材も入ってこない。つまり成長性がないのである。厳しい言い方に聞こえるかもしれないが、そこでは旧態依然として新しいことに挑戦する社風もないだろうし、役立つスキルが多く身につくとも考えづらい。このような企業はやがて衰退してしまうだろう。

高年収企業が無理なら、大企業に行け

さて、今まで高年収の企業ゆえのメリットを説明してきたが、これらの企業は当然人気も高い。外資系金融やGAFAに至っては、今やもう高嶺の華だ。そう簡単には入れない。また、そもそも違う業界を志望する学生の皆さんもいるだろう。

そんな皆さんにお伝えするならば、「大企業に行け」ということになる。

もちろん年収は高いほどいいが、とにかく大企業を狙うべきだ。大企業を狙うメリットは3つある。

財務基盤が強く、潰れない

財務基盤が強く、潰れない

冒頭でも述べたが、今はコロナウイルスの深刻なダメージで、財務基盤が弱い中小企業から倒産している。この傾向は今後も変わらないだろう。

その点、大企業の財務基盤は強固だ。銀行からの融資も、信用があるので大きくできる。果ては日産や、かつてのJALのように、国が倒産を防ごうとまでしてくれる。簡単に言うと潰れないのだ。

コロナ禍では財務基盤が強いことは生命線だ。せっかく頑張って入社しても、会社が倒産してしまっては元も子もない。「組織の歯車の一部は嫌だ」「やりたい仕事にありつけるかわからない」などというのは後回しにしよう。

どの会社に入ろうが、最初はだれもが歯車の一部として仕事を覚えるしかないし、やりたい仕事でなければ転職すれば良い。転職の際も、大企業出身は有利だ。ここは割り切って冷静にメリットを追求しよう。

教育制度が整っている

教育制度が整っている

当たり前の話だが、大企業は多くの従業員を抱えている。数万人、それ以上といった規模の会社も多い。そういった大企業の特徴として、教育制度が整っていることが挙げられる。

考えてみれば当然だが、それだけ多くの従業員がいるということは、教育も系統立てて行われ、身につけるべき知識も体系化されており、システム化も進んでいる。そうでなくては社員への教育が破綻してしまうからだ。マニュアルも社内知識も存分に蓄積されている。

そして大企業であれば、新卒でも多くの社員を採用することになるが、当然新卒にも同様の制度や体系に基づいた教育が行われることになる。社会人のマナーからビジネスの基礎知識、業務に必要な専門知識からOJTと、至れり尽くせりだ。これを全て会社のお金で提供してもらえる。それはおろか、その間も給料は出る。

これを全て独学でやれと言われると、かなり大変だろう。しかも独学なら費用はあなたが負担するしかない。

中小企業やベンチャーでは、大企業ほどの教育制度は絶対に整っていない。「仕事はやりながら覚えるもの」というのも間違いではないが、確立された方法論やマニュアルがあった方が、より効率的に仕事を覚えられるのは事実である。またOJTという名の下に、単に属人的で、ノウハウと呼べるものもない仕事が新人に当てがわれるのも、中小やベンチャーではよくあることだ。

これは結局、中小企業やベンチャーは、大企業ほどの資本力がなく、教育にそこまでお金をかけられないのが理由である。大企業ならば教育は会社側が用意してくれるのだ。しっかりと学べるものは学び、仕事のベースとなる知識を体系立てて身につけてしまおう。

企業人脈を作れる

企業人脈を作れる

大企業は人が多い。それはすなわち、様々な人がいることを意味している。そして扱うビジネスの規模も大きい。取引先も大手ばかりだろう。残念だが、中小企業はそうはいかない。

これが意味するのは、大企業は貴重な人脈が作りやすいということだ。社内には様々な部署があり、様々な業務を行っている人たちがいる。接点があれば、どんな仕事なのか、どんなノウハウがあるのか、儲かるのか等々、積極的に学んでいこう。

様々な部署があれば、多くのケーススタディができる。もちろん大企業ゆえのセクショナリズムはあるかもしれないが、会社というものがどう回っているのか、その仕組みを学んでおくのだ。あなたが独立する際に必ず役立つ。

そして取引先についても調べておこう。どんな業界なのか、何を扱うのか、利益率はどうか。こういった活きた業界知識は、本やセミナーでは身につかない。もちろんこれもまた、あなたが独立を考える際にも有益な知識となる。さらに、彼らはあなたの未来のお客様になってくれるかもしれない。大手企業を顧客にできたなら、あなたのビジネスは一気に安定する。

大企業はこういった人脈を作るチャンスにも恵まれている。あなた個人では相手にしてくれないような取引先も、大企業の看板で営業すれば会ってくれるはずだ。ぜひ有効活用しよう。

ベンチャー企業はどうか? すでにビジネスを興している場合は?

ベンチャー企業への就職はどうか?

新卒の皆さんから「ベンチャー企業への就職はどうか?」という質問を受ける時がある。新進気鋭の会社で、売上も伸びているのだという。ここは少々考えどころだ。

例えば、もしあなたがインターンとして働いており、十分に社風を理解していて、給与面でも納得ができるというなら考えても良いだろう。「考えても良い」というのはずいぶんと歯切れが悪いと思われるかもしれないが、何点か問題がある。

前述のとおり、どんなに新進気鋭のベンチャーでも、大企業ほどの財務力はない。銀行の信用もそれほどは得られないのが現実だ。そしてやはり教育面や給与などの待遇面では、大企業よりも劣るだろう。

また、仮に高給を提示されていたとしても、ベンチャーであるがゆえに、業績が悪化したりすれば、反故にされてしまう可能性はある。基本的にベンチャーは人員も豊富ではないので、あなたの担当する業務は多くなり、教育もじっくりとはしてもらえないはずだ。休みも取りづらいだろう。

ただ、これがベンチャーというものなのだ。もしあなたが創業メンバーや役員というならば、一攫千金の夢がないわけではない。あなたがその企業に賭けてみたいと思えるほどの何かを感じているのならば、チャレンジしてみるのも一手だろう。ただ一従業員として入社を検討するならば、上記の問題点はよく考慮した方がいい。

すでにビジネスを興している場合は?

さて最後にもう一つ。学生時代にすでにビジネスを始め、数千万円~億単位で稼いでいる場合である。会社を設立しているなら続けるしかないが、ただ単に何らかの事業や投資などで稼いでいる状態ならば、個人的には一度どこかの会社に入ることをおすすめする。

もちろん学生の若さで大金を稼げるというのは、何を行っているにせよ、素晴らしい才能である。私もいるビジネスの世界では収益が全てだ。誇っていい。

ただ、敢えて問題点を言えば、社会人になれば自然と身につくビジネスマナーや会社の仕組みについての知識、そして企業人脈が乏しいことが挙げられる。

あなたのビジネスが大きくなるにつれ、必ず対法人間の取引というのが発生することになる。その時、ある程度のビジネスマナーや知識はどうしても求められるのだ。また、大きな顧客となれば、やはり大企業が持つ取引先のような会社への営業・折衝経験がある方が話を進めやすい。

こういった点を勘案すると、稼げるのは素晴らしい才能ではあるものの、一度学習のために就職するというのも一手である。別の才能が目覚めるかもしれないし、やはり自分のビジネスを続けるにせよ、有用な知識と人脈が手に入るはずである。

これからはサバイバルの時代

冒頭にも書いたとおり、これから日本はとてつもない経済惨禍に見舞われるのは確実だ。採用を取り止める企業も出てきており、実際にはそう簡単には就職できない状況が容易に想像される。バブル崩壊時のように、再度の就職氷河期と呼ばれる日が来ることも明らかだろう。

これからは想像を絶する厳しい時代なのだ。生半可な覚悟では生き残れない。しかしこれはビジネスの世界のルールでもある。たしかに大変な時代になってしまったが、これを嘆いても何も変わらない。

新卒の皆さんには、もはやサバイバルの時代だと腹をくくり、どうやったら勝ち抜けるかを必死に考え、栄冠を勝ち取ってもらいたい。そうすれば、あなたのビジネス能力は飛躍的に高まり、時代に左右されない本物の力を身につけられるはずである。

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